バーモンドキャスト・アンコールからホンマ製作所・HTC-90TXへの移行の物語です。HTC-90TXを分解、掃除、損傷部品を交換して組み立てます。
ストーブを変える背景
親しい薪ストーブ仲間が薪ストーブ生活を止めることになりました。そして、愛着のあるHTC-90TXを使ってもらいたいと話があり譲り受けたものです。彼とは25年間、一緒に木を切ったり話したり楽しく過ごしてきた仲間です。機械マニアでチェーンソーを分解、組立てたり薪割り機を自作したりと薪ストーブ仲間のリーダーでした。木の切り方や機械のことを教えてもらったりで大変お世話になった方です。彼の心情を酌みHTC-90TXを使うことにしたのです。
しかし、これには25年使ってきた僕のバーモンドキャスト・アンコールを処分しなければなりません。外見はとても美しいままですが、内部は経年劣化と熱損傷があります。25年間使い続けてきたストーブを廃棄することはとても寂しいかぎりです。よくここまで動いてくれたなと感謝です。


バーモンドキャストアンコールについて
僕が使ってきたアンコールは、工芸品のような黒い鋳物のクラシックなデザインがとても美しいストーブです。
アンコールの最大熱出力は14.3キロワットです。これだけで我が家の2階(ワンフロア)全体を温める出力はありません。二次燃焼室の触媒が煙を燃やす、やや複雑な燃焼方式です。3万円ほどの触媒を2年か3年で交換しなければいけません。比較的低温で薪を長時間トロトロと燃やせる特性があり、薪の消費が少なくていい設計となっています。


ホンマ製作所 HTC-90TX
HTC90TXの最大熱出力は18.0キロワットで海外製の大型ストーブ(バーモントキャスティング・デファイアント、ヨツールF500)と比べてもかなり大きい熱出力が特徴です。煙を無駄なく燃やす二次燃焼は触媒を使わないシンプルな構造のクリーンバン方式です。
暖かさは現在使っているバーモントキャスティング・アンコールより数字の上でも体感でも確実に1段階パワーアップするストーブです。冬の期間が長い豪雪地の魚沼にはパワーのあるストーブが魅力的です。熱出力が高い分、薪はより多く消費すると思いますが、とにかく寒い冬を大きなパワーで圧倒したい気持ちです。また、二次燃焼がクリーンバンに変わると触媒の交換コスト減や煙突のススが減ると思います。ただし、熱量が大きい分ストーブの温度は300℃ほどにコントロールして、それ以上はあげないように注意する必要があります。燃やし方の調整は3箇所の空気取入口と煙突につけたダンパーです。火が行き渡り300℃付近にきたら、燃えすぎないように空気を絞って調整するのがコツです。

ストーブは高床式2階にあります。
ストーブが2階にあるので、まずアンコールを下ろします。これには、①人力で現状のまま下ろすか分解して下ろすか ②クレーンを使って下ろすか ③足場を組んで2階のベランダから下ろすかの方法が考えられます。
①の現状のまま人力で下ろすのは体力的に無理です。それで、煙突工事をしてくれる工務店に②か③の方法で頼みました。しかし、ホンマのストーブは既に分解していますから、人力で部品を2階まで上げ組立てます。じゃあ、アンコールも分解して下そうと、やってみたらできました。これにより運搬費用がかなり節約できましたし、分解組立てというストーブの勉強もできたので一挙両得です。
HTC-90TX 分解には手こずった。
HTC-90TXは燃焼中のバッフルカバー落下で、二次燃焼部品が熱をまともに受けて大きく損傷してました。炉内背面板、2次燃焼ノズル、バッフルプレートの交換が必要です。そのほか天板と右横板にクラックがあり交換します。
交換部品の取り外しはとても手こずりました。ボルトがサビで固着して簡単に外れません。外し方をホンマ製作所に問い合わせしたら「凍結浸透ルブ」というネジ緩め剤と専用工具「ネジザウルスVP-1」を教えてくれました。これを使って慎重にやってみます。損傷部品が取り外せれば部品交換は可能だと思いました。





背面版のネジが外れない。
炉内背面板を背面板に固定している六角ボルトのネジが外れません。サビの固着がすごく凍結浸透ルブを使ってもびくともしません。今日はこれ以上すると泥沼にはまりそうなのでやめます。翌日、再度挑戦したらネジが切れました。
ネジが切れたので炉内背面板は外せましたがネジは背面板に刺さったままです。このネジを外すのに午前中もダメ。昼ご飯を食べ昼寝をして気分転換、再度挑戦しました。今度は凍結浸透ルブが効いてネジが外れました。これが外れなかったら背面板を注文することになります。やれやれ大事に至らずよかったです。ネジが切れた背面板の写真、このネジを外すのに都合3日、悪戦苦闘しました。ポイントはこの浸透ルブをネジの隙間にいかに染み込ませるかです。ネジ部分を叩いたり熱を加えたりして割れ目を作り、そこにこの液体を浸透させるこれにつきます。浸透するまで3日もかかりました。このネジはサビに強いステンレス製に変えます。




右側面板と天板にクラック
右側面板と天板に熱の影響でクラックがあり交換します。部品交換は次のようなものです。炉内背面板20970円、2次燃焼ノズル付きバッフルカバー17200円、バフルプレート6590円、ダンバー150ミリ14180円、右側面板42800円、天板38430円、ハンドル3本3840円


ストーブを30センチ前に出す工夫 耐熱対策 床のレンガ
ストーブ設置場所が引っ込んでいるので、ストーブを30センチ前に出します。これによりストーブの遠赤外線が部屋全体に照射され体感温度がかなり上がると思います。熱量が大きいので右側と前側にレンガ積みを新たに追加します。
具体的には、煙突のエルボから斜めに走る二重煙突を25センチ追加し、ストーブに接続するシングル煙突につなぎます。結果、ストーブを30センチ前に出します。シングル煙突はアンコールとは口が違うので新しいものにします。
なお、煙突は屋根までほぼ垂直に9メートルほど伸びていてドラフトはかなり強いですから、煙突を前に伸長しても煙の引きは心配ないと思っています。引きが強いのでダンパーという空気をしぼる部品を煙突に追加します。



煙突掃除
煙突掃除はエルボの口からやっています。つまり、ストーブの上から掃除ブラシを入れるようになっています。家の中から煙突掃除をするので掃除用の口がどこになるかが重要です。エルボで曲がっているのですんなり入るか、煙突の伸長ではそのへんがポイントです。


この1枚 ソニー・ロリンズ 「サキソフォン・コロッサス」
5月25日、ジャズサックスの巨匠、ソニー・ロリンズさんが95歳で亡くなりました。最も有名なアルバムは、この「サキソフォン・コロッサス」ではないでしょうか。このアルバムの「セント・トーマス」はモダンジャズを代表するスタンダード曲の一つです。ロリンズさんの母親がカリブ海のセントトーマス島出身で伝承曲としてロリンズさんに伝えたといいます。そのカリプソリズムを取り入れてます。

ストーブの分解と組立をしての感想
薪ストーブ生活をして25年以上になりますが、まさか自分でストーブを分解し組立てるとは思いもよりませんでした。分解して組立てることで薪ストーブの構造が少々分かりました。長年使用すると経年劣化で部品を交換しなければなりません。どういうところが消耗品として交換しなければいけないか、そのやり方はこうするっていうことが分かり勉強になりました。このホンマ製作所のストーブは構造がシンプルで、火を燃やす温度に気をつけていれば内部の2次燃焼部品の交換だけで、ほぼ済むと思います。2次燃焼部品は高熱が煙突に向かっていく熱力を利用しますので、どうしても損傷します早めに自分で交換できればストーブを長持ちさせることができると思います。分解・組立して構造が分かるとストーブを愛着を持って大事に使うことができます。なお、アンコールの分解部品とネジ類をしばらく保管します。誰か使ってくれるとありがたいのですが・・・





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